日本人は『エビ』大好きですよね。
エビチリ、エビマヨ、エビフライ。
あの独特の旨みとご飯が進むような味付けのコラボ、至福ですね。
そんな人気食材の『エビ』ですが、みなさん一体どこで買われます?
今回は食材の卸業者である私が、『お店でエビを買う時に知っておきたいポイント4つ』をご紹介します。
スポンサードサーチ
もくじ
①、エビの種類に着目!~種類で全然違う!~
一般的に手に入るエビは、『ブラックタイガー』『バナメイ』『アルゼンチン赤エビ』という種類です。

ブラックタイガーは『ウシエビ』と言い、『クルマエビ』に近い食感と旨みがあり、代用として日本に輸入されるようになりました。
とにかく一般に出回っている中のエビでは、美味しいエビです。(もっと旨いエビもありますが)
赤みが強く出るので、おせちや煮物料理にも適しています。
価格帯としては、バナメイ、アルゼンチン赤エビよりは1尾当たり高めです。(養殖の効率の悪さからコストがかかるため)
ちなみに、『良品』『並品』という枠組みがあり、スーパーに出回っているのは『並品』がほとんどです。
水産メーカーごとに自社ブランドを持っていたりして、『良品』のブランドとなると『オーサス』『ディスカバリー』などがあります。
天ぷら、海老フライ、エビチリ、エビマヨなど何にでも使えるエビです。
生食は…お勧めしません。
というか、しないでください。(寄生虫や細菌の兼ね合いで)
最近では生食できるブラックタイガーも出回りつつありますが…。(ニッスイさんの聖なる海老)

バナメイエビは養殖のしやすさから、今や日本のエビの主流となっています。
ブラックタイガーよりは加熱した時の赤みや、食感、旨みは若干劣りますが、その分価格も安価ですので、一般のご家庭には家計に優しいエビです。
このエビもエビマヨ、エビチリ、天ぷら、エビフライなど炒めたり、油で揚げたりなどの調理に適しています。
バナメイは、むきえび、伸ばしエビ、エビフライ、エビフリッターなど様々な加工品にもなっています。
回転すしで出しているバナメイエビの寿司は、鮮度が良く特別な養殖方法で育てたものなので、基本的に市販のバナメイは生食はしないでください。
バナメイはある程度の大きさまで成長がものすごく早いのですが、一定の大きさまで育つと、後は成長スピードが遅くなります。
なので、あまり大型のバナメイエビは出回ってません。

最後にアルゼンチン赤エビですが、このエビはボタンエビの代用として輸入されるようになりました。
ボタンエビというのは、生食できる刺身エビの代名詞のエビです。
ねっとりとした甘み、ぷりぷりした食感が特徴的な高級エビがボタンエビです。
しかし、ボタンエビは高級なので飲食店で使用するのはかなりコストがかかります。
そこで、このアルゼンチン赤エビの出番というわけです。
アルゼンチン赤エビは、甘みや食感はボタンエビには劣りますが、それでも刺身食材としてはコスパが良く、優秀です。
また、頭の方に『えびみそ』が割と多いので、鍋の材料やパエリアの材料、エビエキスを抽出するなどに使われます。
このエビは加熱すると、パサパサになってしまうので、あまりエビフライやエビチリなどには向きません。
私も天ぷらにして食べた事があるのですが、水分量が多いエビなので、なんか衣に水分がついてモサモサして、あまり美味しくありませんでした。
一般にスーパーに売っているアルゼンチン赤エビは、生食出来ないものが多いので、購入する時は、『鍋』『パエリア』『パスタ』などの料理の付け合わせとして購入した方がいいでしょう。
②、エビの鮮度に着目すべし!~スーパーでは特に!~
エビは鮮度劣化が比較的早いです。
さらに仕入れの段階で、コールドチェーン(冷凍状態で運搬する物流体制)が上手く機能せず、温度管理が悪い中輸入されたエビもあります。
なので、エビをスーパーで見かけたときは、『鮮度』を見てください。
鮮度の見分け方はたった2つ。
①、頭が黒くなっていると、かなり鮮度が悪い
②、殻付きのエビならば、殻が浮いている感じがする(身の水分が飛んで殻が浮く)
この2つが該当しているようなら、購入はよほど半額になってないかぎり買わない方が良いと思います。
また、この鮮度の見分け方は一般に殻付きのエビに関してですが、伸ばしエビやむきエビ、ボイルエビなどの加工品は、冷凍で業務スーパーなどで買った方が確実に良いです。
なぜなら、スーパーで売られている商品のほとんどは『解凍エビ』だからです。
わざわざ鮮度劣化されたエビを買うよりも、冷凍状態で買った方が良いです。
スポンサードサーチ
③、エビの産地の違いに着目!~スーパーにあるエビは安いインド産が多い~
ちょっと専門的なことになりそうですが、簡単です。
一般に出回っているインド東部のエビは避けた方が良いというのが、私の見解です。
というのも、インドという国は気候が熱く、温度管理ができずに、西の加工場まで運搬されている可能性が高いからです。
炎天下にさらされることが多ければ、鮮度劣化も早くなり、旨みも落ちてしまいます。
ただ、最近ではインド西部で養殖し、その近くに加工場を設けて、作成しているメーカーもあるので、インド全体のエビの品質が悪いわけではありません。
他の産地である、ミャンマー、ベトナム、マレーシアなどは加工の技術が確立されているので、それほど産地による違いは無いと思われます。
④、そのエビがどんな料理に使えるか着目!
実はみなさんも知っていると思いますが、食べられるエビの種類はめちゃくちゃあります。
今回紹介したエビ以外にも、『ブラウンエビ』『ホワイトエビ』『ブルーシュリンプ』『テナガエビ』『イセエビ』『甘エビ』『ロブスター』『クルマエビ』『桜エビ』『芝エビ』『川エビ』など、とにかくたくさんのエビがあります。
ただ、一般にスーパーに出回っているエビは、今回ご紹介した『ブラックタイガー』『バナメイ』『アルゼンチン赤エビ』の3種類です。
そして、エビの加工品としては『むき海老』『ボイルエビ』がほとんどです。
エビを見たときに、そのエビがどんな料理に使えるのかを知っておくことで、買うべきか、買わないべきかを判断できると思います。
そこで、一般に出回っている『ブラックタイガー』『バナメイ』『アルゼンチン赤エビ』がどういう料理に適しているか、まとめました。
基本的には、『ブラックタイガー』と『バナメイ』は同じ料理に使えます。
【ブラックタイガー】【バナメイ】…揚げる、炒める、ゆでるなんでもOK
天ぷら、エビチリ、エビマヨ、エビフライ、アヒージョ、エビのカクテルサラダ、エビアボカドサンド、ガーリックシュリンプ、エビの旨煮、生春巻き、エビの塩焼き、エビグラタン、海老カツサンド、海老餃子、エビと卵の炒めetc
【アルゼンチン赤エビ】…スープ系、鍋、焼き物、ご飯などエキスを充分に生かした料理
パエリア、トマトパスタ、エビカレー、アクアパッツァ、海鮮だし鍋、香草焼きetc
スポンサードサーチ
エビの種類、鮮度、産地、料理用途を知っておくとスーパーでもう迷いません!
エビは和洋中どんな料理もできる万能食材。
しかし、エビの種類や特徴を知っておくと、その料理に適したエビを購入する事ができ、料理もますます美味しく仕上がります。
これを機に、エビの種類や鮮度、産地、用途に着目しながらスーパーでエビを見てみてはいかがでしょうか。