【冷凍野菜で栄養は摂れる?摂れない?】|冷食業界9年のプロが大学の研究データを元に解説。

冷凍野菜の安全性・栄養
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モロコシ子
モロコシ子

最近、冷凍野菜ばっかり食べてるな~。

カットする必要もないし、保存も利くから便利なんだよね~。

・・・あれ??
でも、そもそも冷凍野菜で『栄養』ってちゃんと摂れるものなの??

と、今回は『冷凍野菜』で栄養がちゃんと摂れるのかどうか、大学の研究結果や取引先の栄養士から実際に聞いた話も交えながら解説します。

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記事の監修者
冷凍野菜研究家

外食専門の食品卸9年目の営業。これまで試食、取り扱った冷凍野菜の数は150種類以上で、冷凍野菜の開発にも従事。日々のご飯作りに役立つような『冷凍野菜』の調理法、特徴、商品概要、簡単レシピなどを紹介しています。夢は自宅で栽培している野菜を『冷凍』して、『冷凍野菜』として『商品化』すること。最近嬉しかったことは、これを読んだ方が『意外と冷凍野菜ってちゃんと料理すれば美味しい』『便利で使いやすい!!』とお声掛けいただいたこと。

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結論:冷凍野菜でも栄養は摂れる(冷凍の方が栄養価が高い場合もある)

結論から言えば、前提として『冷凍野菜』でも栄養は摂取可能です。

こちらのデータをご覧ください。

『文部科学省 食品成分データベース』より食品・栄養成分を抽出し作成したデータ

これは、各野菜の『生・ゆで』と『冷凍』の栄養成分を比較するために抽出したデータです。

『生』や『ゆで』野菜と比較して見ると、冷凍野菜は多少栄養成分の減少が見られるが、十分栄養素を残していると判断できます。

また、四角で囲んだ栄養素に関しては、冷凍した方が栄養素が増えているのが分かります。

以上のことから、冷凍野菜でも十分『栄養』を摂取できると判断できます。

らいすた
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水溶性ビタミンの減少は少しあるが、冷凍しても野菜の栄養素は残っている。

冷凍野菜に栄養が残る3つの理由

モロコシ子
モロコシ子

データ上では確かに冷凍野菜に栄養が残っていることは分かったよ。でも、どうして栄養が残るの??

コンビニ、スーパーや業務用スーパーの冷凍野菜に栄養がある、残っている理由は3つあります。

  1. 旬の時期に収穫しており、栄養価が高い状態で冷凍。
  2. 下茹で処理』で酵素の働きを抑制し、栄養素の分解を防止。
  3. 鮮度の良い状態で急速冷凍することで、栄養成分を保存。

詳しく順番に解説します。

1、旬の時期に収穫しており、栄養価が高い状態で冷凍。

『冷凍野菜』は賞味期限も長いため、旬の時期に収穫し、何10~100t単位でまとめて生産・冷凍します。

(この情報はニチレイフーズやニッスイ、神栄など冷凍野菜メーカー担当者に確認を取りました)

旬の時期の野菜が本当に栄養価が高いかは、下記データをご覧ください。

野菜の旬と栄養価 ~旬を知り、豊かな食卓を~より抜粋
監修:女子栄養大学 栄養学部 教授 辻村 
まさる

https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/joho/0811_joho01.html

ほうれん草の旬は冬、トマトの旬は夏ですので、それぞれ『旬の季節』ではない場合は栄養価が低くなっています

旬の時期に野菜を収穫することは、とても大事なんですね。

らいすた
らいすた

旬の時期に一括でまとめて生産できる『冷凍野菜』は、栄養が豊富。

2、『下茹で処理』で酵素の働きを抑制し、栄養素の分解を防止。

『下茹で処理』のことを、業界では『ブランチング』と言います。

『ブランチング』は野菜のもつ『酵素』の働きを抑えて、『品質』『色』『栄養成分』を保持するために行います。

そもそもですが、野菜は収穫した時から、その野菜本来の酵素の働きで栄養価が分解されていきます。

そのため、スーパーで買える生野菜は、流通の段階で収穫から何日も経過している場合があり、その場合の野菜は栄養価が落ちています。

下記のデータをご覧ください。

~野菜の成分変動~吉田企世子氏の研究データより抜粋
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1968/26/4/26_359/_pdf

こちらのデータは、時間とともにほうれん草の『ビタミンC』が減っていることを示しています。

特に点線のグラフは『常温26~28℃』で保存したほうれん草であり、ビタミンCは明らかに減少しています。

らいすた
らいすた

何もせずに放っておくと野菜の栄養素は抜けていく!!

3、鮮度の良い状態で急速冷凍することで、栄養成分を保存。

『ブランチング』によって、酵素の働きを抑えても、保存状態が悪ければ野菜はどんどん傷んでいきます。

そのため、鮮度の良い状態で『急速冷凍』することで酵素の働きを更に抑え、栄養成分を保存するようにしています。

下記のデータは、『女子栄養大学 栄養学部』と『東京農業大学 生物産業学部』が共同して実験を行ったデータです。

『ブランチング後、冷凍または凍結乾燥状態で保存した時の『ビタミンC』『ビタミンB1』の量の推移を示しています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafps1997/23/1/23_1_35/_pdf/-char/en 
冷凍あるいは凍結乾燥処理した野菜・果実中のビタミン含有量に及ぼす通年貯蔵の影響より抜粋
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafps1997/23/1/23_1_35/_pdf/-char/en
冷凍あるいは凍結乾燥処理した野菜・果実中のビタミン含有量に及ぼす通年貯蔵の影響より抜粋

このデータでは、-24℃で保存した際はビタミン類の栄養がほとんど抜けていないことを示しています。

ちなみに他の栄養素である『カロテン』『ビタミンB₂』も、『さつまいも』『わらび』以外の野菜は栄養が保持されていました。

つまるところ、『一定の温度で凍結させておけば、栄養価がほとんど残っている』というわけです。

『なんだ、冷凍野菜って栄養豊富じゃん!!』って思いますよね。

ただし、一つだけ注意が。

水に溶けやすい『ビタミンC』や『ビタミンB群』はブランチングによってある程度栄養素が抜けてしまいます。

そのため、『ビタミンC』『ビタミンB群』を効率よく摂取したい場合は、鮮度抜群な野菜や果物を『生』で食べるようにしましょう。

ただ、生のほうれん草やオクラ、ブロッコリーなども結局は茹でて食べますよね。

結局、その時に水に溶けるビタミンはある程度抜けます。

だから、元々加熱して食べる野菜は『冷凍野菜』でも十分に栄養を摂取できます。

らいすた
らいすた

『冷凍野菜』で課題となる栄養は水溶性ビタミン。生で野菜や果物を食べよう!!

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管理栄養士も『冷凍野菜』を積極的に使用。

『冷凍野菜』は、『給食センター』『病院』『老人ホーム』などで頻繁に使われています。

なぜ『冷凍野菜』を使っているのか、実際に取引先の栄養士に確認してみました。

らいすた
らいすた

あの、生野菜じゃなくて何で冷凍野菜使ってるんですか??

栄養士の方
栄養士の方

まあ、なんと言っても使いやすいからかな。

栄養成分も価格も生野菜より安定してるしね。

毎回、毎回献立考えて、上に提出しないといけないから大変なのよ。

らいすた
らいすた

生野菜だと確かに品質が安定してないですもんね。なるほど。

栄養士の方
栄養士の方

そうそう。

結局限られた時間で、献立考えないといけないからね。

冷凍野菜無かったら、全部仕込まないといけないからキツイかも。

と、こんな話をしてくれました。

実際、取引先の栄養士の方が言っていたのをまとめると、下記の理由で『冷凍野菜』を使っているようです。

  1. 『冷凍』さえしていれば『長期保存』ができる。
  2. 『下処理』が要らず、時短調理ができる。
  3. 栄養素も安定しており、献立も立てやすい。
  4. 捨てる所がほぼ無いので、栄養成分の計算がしやすい。
  5. 年中、価格が安定しており、原価計算しやすい。

栄養士の方にとっては、メリットだらけと言った感じですね。

まあ、野菜として美味しいかと言われれば、もちろん生野菜の方が美味しいですけどね。

ただ、もし『冷凍野菜に栄養が無い』としたら、どう考えても栄養士の方は使いませんよね。

そう考えると、『冷凍野菜に栄養はない』のは、『間違った通説』ということになります。

らいすた
らいすた

衛生的で管理がしやすいのも『冷凍野菜』の魅力です。

まとめ

今回は、『冷凍野菜』で栄養が摂れないかどうか』について解説しました。

実際、『冷凍野菜』でも栄養は摂取できます。

その理由は下記の通り。

  1. 旬の時期に収穫しており、栄養価が高い状態で冷凍出来ている。
  2. 下茹で処理』で、酵素の働きを抑制させ、栄養素の分解を防止している。
  3. 鮮度の良い状態で急速冷凍をかけることで、栄養成分を保存している。

また、『冷凍野菜』に関しては管理栄養士も頻繁に業務で使用しています。

しかし、水溶性のビタミンに関しては『冷凍野菜』では摂取しにくい傾向があります。

そのため、『ビタミンC』『ビタミンB群』を効率よく摂取したい際は、『生野菜』や『生の果物』を食べることをオススメします。

今まで栄養があるか分からなくて、『冷凍野菜』に手が伸びなかった方。

食感や味、風味では『生野菜』には劣りますが、便利で安価で保存もでき、その上栄養も摂取できる『冷凍野菜』をお試ししてみてはいかがでしょうか。

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