特売で小松菜が1袋90円だったから買いすぎたニャ(笑)
悪くなりそうだから、とりあえずそのままカットして冷凍庫にどーんニャ!!
ちょっ、ちょっと待ってください!
そのまま冷凍するのはあんまりオススメできないと思います!!
え?なぜニャ??
だって小松菜は『生のまま』冷凍しましょうって他のサイトに書いてあったニャ??
確かにそうかもしれません。
でも、私は過去の実験データから見ても、『生でそのまま冷凍』するとデメリットが3つあると考えています。
というわけで、この記事では小松菜をそのまま冷凍するのはオススメしない理由と、オススメの冷凍・解凍の方法2選について解説しています。
この記事を読むメリット
・小松菜の正しい冷凍方法が分かる
・小松菜の解凍方法が分かる
・冷凍方法を知ることで、食材の廃棄を減らすことができる
・正しく冷凍・解凍することで栄養を効率よく摂取できる
大学の冷凍実験のデータも参照し、冷凍のメカニズムについても触れながら、説明していきます。
もくじ
小松菜を『そのまま』冷凍することのデメリット3点
確かに下処理せずに冷凍するのは、楽ですよね。
しかし、生でそのまま冷凍することでデメリットが3つ出てきます。
- 小松菜を『そのまま』冷凍することのデメリット3点
- ①ビタミンCが著しく減少する
②小松菜の細胞破壊が多くなる
③冷凍焼けが起きやすくなる
どういうことか、順番に解説していきますね。
①ビタミンCが著しく減少する
生のまま冷凍すると、アスコルビン酸というビタミンCが著しく減少するデータがあります。
こちらの記事は国立大学法人東京海洋大学海洋科学部の鈴木教授の論文の引用です。
図6は、ブロッコリーをブランチングして冷凍保存したものと、そのまま冷凍したものの冷凍保存中のアスコルビン酸の減少を示している。明らかに、ブランチングしたものでは、アスコルビン酸の減少が抑えられていることがわかる。
引用元:食品の冷凍技術と冷凍野菜の品質|東京海洋大学海洋科学部 教授 鈴木 徹氏
生のまま冷凍したブロッコリーは、3ヶ月後に『アスコルビン酸』の保持率がほぼ『0%』になっています。
もちろん、冷蔵保存でも野菜は生きているので、栄養は減っていきます。
しかし、生のまま冷凍しても野菜の中の『酵素』が活性化しているので、それでも栄養は減るのです。
上記のデータはブロッコリーですが、食品成分表によれば、小松菜にも100g/39mgのビタミンCが含まれています。
つまり、小松菜においても生のまま冷凍すると、徐々にビタミンCが減少していくと考えられます。
生のまま冷凍すると、栄養の劣化が早くなってしまう…!
②小松菜の細胞破壊が多くなる
基本的に食べ物は冷凍すると細胞が壊れます。
特に野菜は『細胞壁』という壁があり、細胞の損傷がひどくなり、食感がかなり悪くなります。
また、細胞が壊れると、解凍後に水分や旨み、栄養分が解けだしていきます。
つまり、生のまま冷凍してしまうと、美味しくない上に栄養が少ない冷凍野菜になってしまうのです。
もちろん、すべての栄養素が無くなるわけではありません。
しかし、先ほどのビタミンCや水に溶けやすい他のビタミンなどは、消失していく可能性が高いのです。
生のまま冷凍すると、食感、旨味、栄養素が劣化する可能性が高い。
③冷凍焼けが起きやすくなる
生のまま冷凍した場合、どうしても家庭の冷凍庫だと『冷凍焼け』が起きやすくなります。
『冷凍焼け』とは、凍結状態で乾燥されることで、変色・異臭・品質劣化が見られる状態のことです。
-40℃の超低温状態であれば、それを防止することができますが、残念ながら家庭用の冷凍庫は超低温を維持できません。
家庭用冷凍庫では、食品が乾燥していくのを完全に防止することはできないのです。
え、でもジップロックで密封すれば乾燥しないんじゃ??
実はそうでもなくて、少しの隙間から乾燥は進みます。
こちらの論文は、冷凍焼けのメカニズムについて解説しているものです。
凍結食品の乾燥は、食品の水蒸気圧が周囲の水蒸気圧よりも高い時に起こる。凍結保管庫に食品をむき出しの状態で置いた場合、冷凍庫内の空気中は通常乾燥した状態、すなわち水蒸気圧が低い状態にある。食品が庫内温度と同等でも、含水量の多い食品の表面は氷の飽和水蒸気圧にあるため、雰囲気よりも高い水蒸気圧を持っている。よって、必然的に乾燥が進む。原理的には包装密閉されていても、空間があると冷凍野菜も包装内乾燥、着霜も生じる。
食品の冷凍技術と冷凍野菜の品質|東京海洋大学海洋科学部 教授 鈴木 徹氏
要約すると、『どれだけ密封して保存しても、空間がある以上は冷凍焼けは起きる』ということです。
小松菜を生のままジップロック保存した場合、どうやっても『隙間』が出来ますよね。
その場合は、どうしても『冷凍焼け』が起きやすくなります。
小松菜のオススメの冷凍方法は2つ
理屈はわかったニャ!! じゃあ、どうやって冷凍すれば良いのニャ!!
お、落ち着いてください。今ご説明しますので…。
オススメの小松菜の冷凍方法は次の2通りです。
- 水や調味液に漬けて冷凍
- 下茹で(ブランチング)後に冷凍
具体的に解説していきます。
水や調味液に漬けて冷凍
小松菜は色んな料理に使えて便利ですよね。でも、大体は炒め物かおひたしかと思います。
そこで、水や調味液に浸してジップロックで冷凍することをオススメします。
理由は次の2点。
- 液体ごと凍らせることで乾燥を防止する
- 凍結時の組織のダメージを減らす
凍結時のダメージを減らせば、栄養素や食感の維持に役立ちます。
漬け込む液体はどういう料理を作るかで変えた方が良いですよ。
- 炒め物を作りたい場合
- 水といっしょに小松菜を凍結
- おひたしを作りたい場合
- だし、塩水、醤油をお好みで入れて冷凍
液体に漬けこんで冷凍した小松菜は、こんな感じになります。
このように液体に漬けこんで冷凍すれば、栄養も細胞もそれほど損なわれずに冷凍できます!
液体に漬けこんで冷凍するやり方は、動画でも解説しています↓
液体に入れて保存するだけなので、割と楽ですよね。
俗に業界ではBQF(ブロック凍結)と言います。
下茹で(ブランチング)して冷凍
もう一つのオススメの冷凍方法は『下茹で(ブランチング)』してから冷凍する方法です。
市販・業務用の冷凍野菜のほとんどは『下茹で』された状態で販売されています。
『下茹で』してから冷凍するメリットは次の2点です。
- 酵素の働きを弱め、風味・変色・栄養の劣化を抑制する
- 解凍後の加熱時間が短くなる
簡単に言うと、野菜の品質を保てる時間が延びます。
下茹でしてから冷凍するやり方は、こちらの動画でも解説しています↓
ちなみに生のまま冷凍した小松菜と、下茹で後に冷凍した小松菜を比較してみました。
下の画像は小松菜の比較画像です。
私の正直な感想を述べますと、次の通りです。
- 生のまま冷凍した小松菜はマズイ(青臭い、食感が水っぽい)
- 下茹で後に冷凍した小松菜は美味しい(食感が冷凍する前のまま)
- 色の鮮やかさは、下茹で後に冷凍した小松菜の方が良い
う~ん、やっぱり生のまま冷凍するのは、ちょっとオススメできないかも。
冷凍した小松菜の解凍方法
さて、オススメの冷凍方法をこれまで解説してきました。
しかし、実は解凍方法にもこだわると、さらに美味しく食べることができます。
コツは低温で解凍するか、急速解凍するかの2つです。
冷凍した小松菜を解凍するオススメの方法はこちらの2通り。
- 冷やしたままで食べる場合
- ボウルに水を張り、ジップロックのまま入れて解凍
- 加熱してから食べる場合
- 電子レンジで解凍して、水気を切ってから炒める
15~30℃の『魔の温度帯』での解凍は止めた方が良いかと。
酵素が再び活動してしまいます。
具体的に解説していきます。
冷やしたままで食べる場合
- ボウルに水を張り、ジップロックのまま入れる
- 2時間ほど解凍する
- 水気を切り、お皿に空ける
おひたしや漬け物として食べるなら、この解凍方法がオススメ。
加熱してから食べる場合
- ジップロックから皿にあけて電子レンジで加熱
- 氷が解けるくらい加熱(600Wなら約7分ほど)
- 水気をキッチンペーパーで切る
- フライパンで炒める
炒め物や味噌汁などに使用したい時は、こちらの解凍方法がオススメ。
まとめ
小松菜を冷凍するときは、生でそのまま冷凍するのはオススメしません。
理由は下記の3つです。
- 小松菜を『そのまま』冷凍するのをオススメしない3つの理由
- ①ビタミンCが著しく減少する
②小松菜の細胞破壊が多くなる
③冷凍焼けが起きやすくなる
下処理せずに冷凍するのは、楽チンで良いのですが、デメリットも大きいかと思われます。
そのため、下記の2通りの方法をオススメします。
- 水や調味液に漬けて冷凍
- 下茹で(ブランチング)後に冷凍
この凍結方法なら、栄養が保持されたまま長期保存も出来ます。
また解凍方法にもこだわると、美味しく効率よく栄養が摂取できます。
オススメの解凍方法はこちら。
- ボウルに水を張り、ジップロックのまま低温解凍
- ジップロックから皿に移し、電子レンジで急速解凍
解凍方法でも品質に違いが出るというのは、驚きですよね!
ちなみに冷凍野菜の解凍については、こちらの記事で解説しています↓
【冷食のプロ直伝】冷凍野菜の使い方・解凍法|秘訣は4つのコツ??
正しい冷凍保存の方法を学べば、食材を捨てることも無くなります。
また、安い時にたくさん買って、冷凍保存しておけば、結果的に節約にも。
これから食料品が高騰していくのが不安な方もいらっしゃるかと思います。
ただ、冷凍技術や冷凍品の活用方法を学べば、インフレ対策にもなります。
良ければ他の記事もご覧いただければ幸いです。
それでは、ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました!